大切なパートナーです

あるときふと、
キャンプをしたいと思いました。

そこで、
お金をためて車を買おうと決めたのです。

まず最初に食費を減らして、
でも健康的にバランスよく栄養を取れるよう、

野菜メインの鍋をメニューに考えました。


普通の鍋だと大きすぎるし、
いかにも調理用の鍋は味気がない。

そこで旅館でよく使われるようなものを探していたところ、
これを見つけました。

質感も本格的なものでしたが、
確かに木蓋のにおいが鼻につきました。


鍋を主食にするといっても難しいもので、
季節によって野菜の価格変動が大きく、

また不作で通常４分の１カット298円の白菜が８分の１カットになったりとしましたが、

一度に買い込んで日数分に切り分けて冷凍して使うようにすると、
食費はかなり浮きました。


実に１年間、
３６５日同じ鍋で食事をとり続ける私につきあってくれました。

蓋は水と出汁が染み込み、
洗うたびににおいは消え、
角が丸くなっていきます。

木を継いで作ってあったため、
その部分が割れましたが、
幸い取っ手にはめ込むだけで
使えましたので、
長い間使うことができました。


鍋は何度も吹きこぼし、
洗いを繰り返しましたが、
壊れることはありませんでした。

結果として太ったため、
いまは毎晩鍋の生活をやめておりますが、
鍋をゴトゴトいわせ、

昔話でも見ながらの夕食は最高でした。


今は秋になると、
ほかのキャンプ道具に紛れ込ませ、
買った車でキャンプに行っています。