雨を期待したシーズン

1993年シーズン前は、
簡単にプロストがチャンピンを取ると誰もが予想した。

セナが参戦するかどうかは微妙な状態だった。
インディのテストに参加し、
エマーソンと変わらないタイムを出して、
やっぱり天才なのだなと、
感心した。

開幕前のテストにいきなりセナが参加して、
タイムはともかく、
マシンのフィーリングが気に入ったようだったが、
’93年シーズンを参加するかどうか、
キャラミの開幕してからでないと　解らない状態だった。

開幕して、
とりあえずセナは1戦参加して、
コンディションがイコールであれば　何とかなると思ったと思う。

続く、
ブラジルにも出場して、
ついに勝ってしまった。
誰も勝てると思ってなくて勝ってしまって、
全数参戦するしかないと感じていたと思う。

また、
ドニントンでも勝ってしまって後戻りができなくなってしまった。


’93年はセナはホンダを失ってしまって　誰も勝てるとは思わなかったと思う。

どんなに不利な状況でもレースに出場しなくてならない使命感があったのかもしれない。

そんな　使命感の中で　雨を降らせたのかもしれないし、
セナもまた雨を望んだかも知れない。


※プロストVSセナVSシューマッハー―進化の極みと王者の系譜ーF1世界選手権「1993」より、
加筆。