共産党が内戦に勝利したポイントが描かれている。

この本は「ワイルド・スワン」の向こうを張って書かれた自伝的著作だが、
著者の父母の世代の事とその次代背景も描かれている。

巻末に歴史資料などが参考文献として載っている。


特筆すべきなのは共産党軍による長春市包囲戦が詳細に描かれていることだ。

「大地の子」でも描かれたチャーズの餓死者（その数数万）が出る元となった共産党の戦略、
戦術が描かれている。


国民党軍の投降を宣伝に利用した、
というところがポイントである。

蒋介石の信任が最も厚かった、
最も人望のあった鄭棟国を投降させたことの影響は国民党にとって致命的だった。


このため、
チャーズを含め十数万の餓死者を出した戦略が実施された。
周恩来もこの戦略に関わってきた。

日本人、
日本軍には考えもつかない残虐な戦略である。


こういった残虐な戦略をとった「解放」を戦後の左翼は礼賛してきたのだ。