内容は素晴らしい。しかしなぜ五十音順？

「大きい〜」の方を購入しました。


内容自体は、
大変素晴らしいと思います。

しかし項目の並べ方によって、
「用途に合いづらい辞典」になっているように思います。

当書の帯には「格調高い表現ができず思案に余るあなたに」とあります。

あとがきにも、
いい感じの表現が見つからない際に使う辞典として作られたものである旨が書かれています。

しかし、
この本は項目を「五十音順」に並べています。

いい言葉をが見つからないから辞典を引くのに、
五十音順では見つかりづらいのではないでしょうか。


当書は巻末に「キーワード索引」を掲載しており、
意味ごとに単語をグループ分けした上で羅列しています。

「これなら探しやすい！」と一瞬考えそうになりますが、
「羅列」なのが曲者です。

グループにまとめられてはいるものの、
羅列されている項目の詳細は当然ながらあちこちのページに散っています。

結果、
「どの言葉が意味に一番合っているのか」を確認するために、
複数のページを行き来する必要があるのです。


また、
各項目には「同じような意の言い回し」が列挙する形で添えられています。

しかし、
言葉の頭にアスタリスクがついていたら別ページにその言葉の詳細が記載されており、

知りたければ別途該当するページへ飛ぶ必要があります。

（ページ番号は添えられていませんので、
五十音順からたどるしかありません）

索引は「既に知っている単語を探す」場合に便利ですが、
「知らない単語を意味から探す」には圧倒的に不向きです。

たとえば、
同シリーズとして刊行されている「感情ことば選び辞典」では、
単語はキーワードごとに表記されています。

おかげで「大枠では同じ意味を持つけれど、
詳細が異なる言葉」を比較しやすくなっています。