きちんとコンテンツツーリズムに焦点を当てて２ページずつにまとめていて、読みやすい（分かりやすいかは別）

過去の文献を引用して、
自分の新たな知見を提示して、
新しい結論を導き出すのが、
学術論文の形なので「なんか難しい用語が使われて分かりにくい」と思われる部分があるのは、
仕方ないかもしれません。
でも、
一つの述べたいこと（タイトル）を２ページできちんとまとめており、
そこにどんな内容が書かれているかを知るという意味では、
読みやすくできていると思います。
ただし、
引用されている文や用語が分かりにくいかどうかは別の話ですが。


アニメ聖地巡礼ガイド（これは１カ所１ページ）は、
作品を知っていて見て書いているので、
こちらは砕けて読みやすくなっているのではないかと思います。
発行した少し前、
聖地巡礼がブームとなったあたりの作品が挙げられていて、
興味を持ちやすいかと思います。


地域振興としてのアニメ聖地巡礼は、
地方自治体や地元組織などが先行して取り組むコンテンツツーリズムというより、
ファンが自らの目利きで場所を選択していくという経過をとることが一般的で、
この点もこれまでの観光の一つの形での寺社仏閣や風光明媚な地とは一線を画するものではないかと思います。

ただし、
せっかく新たな顧客（観光客と言い換えてもよい）を獲得できたのですから、
それをリピート客とするべく画策するのはありなのではないか、
と本書では最後に述べられているという風に読み取りました。