まごうことなく量産型では有るのだが

タイトル通りである、
今の流行りを集めて集めて集めましたみたいな、
The WeekndやらFKA Twigsやらの雨後の筍的ダークでフューチャー感溢れるトラップに、
これまたレゲエ的な印象を漂わせるオートチューンボイス、
そしてカナダ出身という「ホットさ」までもがどこかで聞いたような感覚を引きおこさせる、
ついでに見た目までなんとなくAnderson Paak似だ。


と、
こう書くととんでもない流行りもの駄作で有るように感じるのだが…恥ずかしながら密かにハマってしまったアルバムであったりする。


思うに彼の「標準さ」が逆説的に聞いてて苦痛になりにくいレベルのクオリティを担保しているのではないかと私は思っている、
吉●家の牛丼が決して極上のグルメにはならないがとりあえず食べて外れることはない感覚と同じだ、
それに歌唱力もラップスキルもたしかに一定以上の力量があるのも事実。


またここに至るまで個性がないとこき下ろしまくって言うのもなんではあるがプロデュースにはDJ Dahiなど実力派からUKのベースミュージック、
ドラムンベースの異端児Two Inch Pinch、
そしてUSベースミュージックの鬼才XXYYXXらが関わっており（彼のアルバムはお気に入りだ）、
トラックに関してのクオリティは間違いないものがある。


Troyはこう語りかけているのかもしれない「お前らが求めてる今の音、
まさにこれだろ？」

もしかしたらそのあまりの無個性さが一周回って個性となって私の耳を掴んだのではないだろうか。