人格は後天的に変えられる

文章が学術的で難しいため、
良書でありながら大衆には読まれないという残念な本。


そのため、
橘 玲(Akira Tachibana)氏の『言ってはいけない 残酷すぎる〜』という、
専門家でもなんでもない一文筆家が、
寄せ集めの知識で商業的に書いたトンデモ本が大流行りし、
先天的に人間は決まっている説がありがたく信じられている。


本書は脳科学の専門家が最新の学術データに基づき記述されている店で安心して読むことができる。
1章から読むときついので、
自分の気に入った章から読むと良い。


本書では、
人間は先天的に、
ある程度決まって生まれてきているが、
母親の育てかたや環境、
本人の意識次第で人生は変えられることを科学的に記述しており、
理想の人物になかなかなれず格闘している大衆を勇気付けてくれる。


また、
精神科治療で見られるマインドフルネスやリフレーミング（ものごとのとらえかたを意図的に変える）、
感情のラベル付け、
自分の人生は自分でコントロールする、
ことが「前頭前野の働きを活性化させ、
不安のもとである扁桃体の活動を抑制する」ことは脳科学的に示されており、
これらの手法は実は精神論でなかったことを我々に確認させてくれる。


難しいので読みにくいことが残念だが、
人生を変えたいと思ってこの本が気にかかった方は、
どうか読みやすい章から読んで欲しい。