ブラッド・メルドー登場!!
1995年3月13日から4月3日ニューヨーク、
パワー・ステーションで録音。
メルドーのデビュー作。
ブラッド・メルドーは1970年8月23日生まれ、
ドイツ人眼科医の養子として養女の姉とともに育つ。
『The Art Of Trio』のホルヘ・ロッシィ、
ラリー・グレナディアとの出会いはニュー・スクール時代に遡る。
その才能に最初に気がついたのは母、
そしてマット・ピアソン(ワーナー・ブラザース)だった。
24才だったブラッド・メルドーはワーナーとの契約の時に一つだけ条件を出した。
『アーティストとしての自分に忠実であることを何よりも大切にしたい、
それを理解してもらいたい』である。
そして本作のプロデュースも当然マット・ピアソンである。
面白いのは前半1-5が『The Art Of Trio』の面子、
後半6-9ではクリスティアン・マックブライド(b)、
ブライアン・ブライド(ds)と組み合わせてレコーディングしている点である。
僕にはピアソンがメルドーが最高のピアノ・トリオがやれるのは誰か試行したような感触を受ける。
そしてその結論がニュー・スクール時代からのつきあいである『The Art Of Trio』だったということではないだろうか。
曲は9曲中4.5.7.9がメルドーのオリジナル。
残りがスタンダード・ナンバーで固められている。
マット・ピアソンには現代に蘇るビル・エバンス・トリオ(ビル・エバンス(p)・スコット・ラファロ(b)・ポール・モチアン(ds)の!)があるのか『My Romance』も収められていて素晴らしい演奏である。
僕はこの演奏が一番気に入った。
デビュー作とは信じ難いほど高いレベルの作品である。
天才とはそういうものなのだろう。
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