杉良太郎として、終わりたい。その真意は。

杉良太郎さんの情感たっぷりの生き方、
感受性の強さ、
行動力、

一途な仕事への向き合い方は、
まさに大親分のそれに匹敵する
貫禄があり、
慈善家としての生き方にしろ、
凡人のそれでは
測れない人間的な魅力、
胆力に圧倒される一冊。


著名な交友から、
単なる自慢ではなく、
対等あるいはそれ以上の
人間的根本で付き合っているということからも、
比較対象的に
杉さんのすごさが伝わる。


ハンセン病療養所での「一件落着」のくだりは、
繊細な人なんだと
涙無しには読み進めることができなかった。


昨今のチャラチャラしたテレビ業界では、
もはや希少種でもあり、

よくぞ、
これだけの内容のものを一冊にまとめたなという、

NHK出版にも拍手を送りたい。


完璧であるということよりも、
完璧に近づけようという努力が
人を美しくする、
ということを学んだように思う。

それだけに、
2代目を持たない、
ただの杉良太郎として終わりたい
という思いは、
時代と自分の未来のズレ、
修復しがたい
ズレを思ってなのかと、
考えてしまう。


是非、
直接お会いしたい御仁である。