飾れる夜空を写す

フィルム写真の頃から天体写真の撮り方を解説する本は数多く出版されている。

この本の特徴は天体写真というより、
夜空の写真を美しく撮ることに主眼が置かれている。

最近のデジカメは性能が良く、
三脚にカメラをセットして夜空に向けてシャッターを切れば、
誰でもそれなりの夜空の写真を撮ることができる。

スマホで撮った木星の写真をブログに載せている人も多くいる。

つまり、
夜空を写したいと思う人はたくさんいるわけだ。

そういう人たちにこの本は分かりやすく美しい夜空の写真を撮るための最適の手引書になるはずだ。

カメラの扱いを一通りできる人なら明日からでも写せる方法から、
ある程度道具を揃えさらに美しく写す方法まで解説されている。

中には、
これまで何度も一眼デジカメで夜空を撮ったが、
どうもぱっとしないと諦めている人もいるはず。

そういう人にもRAWからレタッチで、
あっと驚くような写真に生まれ変わらせる方法も分かりやすく解説されている。

田中氏は610万画素の一眼デジカメの時代から夜空やオーロラを写している。

風景写真家としても活躍している氏ならではの写真集としても見応えがあるものだ。

そういった長年の経験から生み出された撮影テクニックの集大成として出版されたといえよう。