壮大な内容を短編に凝縮した力作

これぞハードSF！
超巨大ブラックホールや磁気の帆で進む宇宙船などの道具立ては石原藤夫さんの著作を懐かしく思い出しながら読みました。

また光速でも数万年を要する恒星間旅行はたかだか数十年の人間の尺度を遥かに超えてしまっているのですが、
本書はその問題にも解を提示しています。

しかし本書はそうしたアイデア至上主義に陥ることなく、
タンポポの綿毛をモチーフに主人公の存在理由が命を繋ぐことだという物語を描いています。

久々に好みのツボに100%嵌った作品でした。
ここ数年でベストです。