英文学の名作をシンプルイングリッシュで。

逆境に生まれたジェーン・エアが、
たび重なる不運に倦む事無く自らの人生を切り開いていくストーリー。
いまや定番の「女性一代記」のはしりと呼べる作品ではないでしょうか。
恋愛あり、
サスペンスじみた展開もありの、
シャーロット・ブロンテの代表作です。


ブロンテ姉妹の作品は、
英米では学校の授業で読まされる事が多いようで、
ペーパーバックなどを読んでいると作品についての言及がしばしば見られます。
私はずいぶん前に日本語の完訳版を読んだのですが、
今となっては話の筋を随分忘れてしまい、
このリーダーズで読み直してることにしました。
この「話の筋をおさらいしたい」という目的には充分に応えてくれる一冊ではありましたが、
リーダーズだとどうしても主人公の道程を追う事に徹している分、
ジェーンの波乱に満ちた人生が少々絵空事じみて感じられたのが残念でした。
きちんと描き込まれている完全版だと、
大ロマンにどっぷり浸りつつもそれなりのリアリティが感じられたものなのですが・・・。
まあ、
大長編を１００ページほどのシンプルイングリッシュにまとめているわけで、
そのへんは了解して読むべきだと思います。


こちらのオックスフォード版だとレベルは「ステージ６」で、
英検２級くらいの力があれば読めそうな印象でしたが、
マクミランリーダーズやペンギンリーダーズではもっと簡単に読める「ジェーン・エア」も出ているようです。