トレーニング器具が必要

　陸上トレーニングの必要性を感じるからこそ購入したのだが、
「必要だ」の話が長い。
分量的には半分近くが費やされており、
トレーニング内容に割かれているページ数が少ない。
「どんなトレーニングをしたら良いのか」と購入を考えている人には不向き。
「トレーニングは本当に必要なのか」と懐疑的な人は読んでみると良いだろう。

　水泳選手ならば「チューブ引き」というトレーニングをしたことがあるかもしれない。
このチューブ引きは、
どこにチューブを引っかけるのかという問題が常につきまとう。
本書に出てくるトレーニングは基本的に「マシントレーニング」になってくるため、
スポーツクラブ等の環境がなければ実践できない。
加えてベルト・ロープ等、
一般的にはマシンに取り付けられていないものを使用するため、
これをどこで実践できるかは甚だ疑問。
チューブ引きの抱えるジレンマと同じである。
大学等のトレーニングルームならば可能かもしれないが、
そうした人であればおそらく「知っている」レベルのトレーニングばかりであろう。
正直、
目新しさはなかった。

　知識の薄い人には役立ちそうだが、
そういった人ではトレーニング環境がないという矛盾が生じるため、
理論武装したい人向けの本である。
実践したい人向けではなかった。