現代の我々も考えさせられる課題先進国ローマ

ひたすら続くローマの内紛を描いた一作です。
第三次ポエニ戦争を終えたローマでは、
農園への抜け道投資等を通して儲ける富裕層が現れる一方、
平民は無産階級に落ち込む人が増え、
貧富の差が拡大する一方でした。


こうしたことから内紛が相次ぎますが、
改めて2000年も前の国家でこのような現代的な問題が起こっていて、
その対策が今と大きく変わらないものである事に驚かされます。
現代で言えばセーフティーネットに当たる貧者への小麦の分配、
ガイウス・グラックスが提出した「公共事業法」は、
公共事業を増加させ失業者へ職を提供するというまさにケインズ経済学じゃないかと思わされるような施策。


筆者が言っている通り、
100％完璧なシステムは存在せず、
システムを選択するという事は、
現状の特定の課題・論点をどの程度解決して行くかその度合いを変える事であり、
どの副作用を覚悟するかという事でもある。
ここに答えはないがそれでも偉人達の歴史を学ぶことで我々も現代に活かせる内容があるかと感じた次第。