「E-P5の世界」をいち早く見せてくれる良書

ボディとほぼ同時に発売されるガイド本には、
どうしても“やっつけ仕事”感が漂った、
内容の薄いものが多いのですが、

本書にはそれがない。
出色の出来です。

限られた時間で丁寧に作ってあり、
感心しました。


全体の構成は、
お約束通り。

基本性能の解説、
プロによる作例集、
開発者インタビュー、
そしてレンズ解説。

それ自体には何の驚きもないものの、
細かな部分で攻めてます。

例えば、
普段はOLYユーザーではない（はずの）撮り鉄のカリスマ・中井精也氏が作例を寄せたり、

E-P3、
OM-Dとの比較を試みたり、

純正以外のレンズとの組み合わせを検証したりといった具合。

「カメラが好きな人が編集したんだな」という熱が伝わってきて嬉しくなります。


ただし、
ユーザーが興味のあるISO100相当（ISO　LOW）やシャッタースピード1/8000については
もう少し情報が欲しかった。

とりわけスポーツ写真で1/8000の世界を見せた巻末のギャラリーは、
写真そのものが「？」の仕上がり。

これを見て「素晴らしい。
買いたい！」と思う人は少ないのではないでしょうか。

既に買った人が購買対象のオーナーブックだから、
それで十分なのかもしれませんが。


時間が経つと、
もっといいガイド本が出てくるのでしょうが、

最初の一冊としては十分に合格点。

価格に相応しい情報価値のある書籍だと感じました。