多彩

短編集1の「紙の動物園」を読んでいたので短編集2の「もののあはれ」も購入しました
これは前の時も感じましたが題材の選び方、
引き出しの多さが見事です

ベースに神話や古典の要素が感じられるとそれを用いて何が展開されるのだろうとワクワクします
東西両方の思想の流れを乗りこなしている分、
作品の幅の広さを感じます

短編集1（紙の動物園）の方はなんとなく重い気分で終わってしまう話が多かったことに比べ
この短編集2（もののあはれ）は悲哀もありながら、
登場人物の心境が納得のいく着地をしていることであったり、

その先に希望のある世界を想像したくなるような終わり方をしているものもあるので読みやすいという印象があります

話の組み立てや文章に安定感があるので今後の刊行にも期待です