どれも短いけれど印象的なお話ばかりでした。

―――俺　燃え尽きそうだよ―――
―――星なら　星に届くんだよ―――

表題作の前に4つの短編が載っています。

どれもがそれぞれに想いを抱えている物語でありながら、
似通った内容ではないので楽しめました。


最初の『MILK』は小学生の頃から同じ空手道場に通っていた友人の高校生同士がカラダの関係がありながらも
「友人」であり、
そして「両思い」なのに片方がその関係を崩そうとしないお話。

『逃げなずむならよる』は仲の良かった友人に気まずい思いを抱えたまま距離を置き、
謝りたいと思いながら
その相手に東京で再会するけれど・・・という内容で、
これがお互いが抱えてきた想いが切なくて、
個人的には
一番好きなお話でした。

『レユニオン・ドラマの場合』は高校の時の同窓会が軸のお話なのですが、
短いのに過去のお話が絶妙に絡んで
読み応えがありました。
ふたりの関係に「えっ?そういうことなの?」と思わず声が出ました(笑)
『おとなりから笑い声』は笑い声が独特なお隣さんと距離が近づいてゆくお話です。

最後は「えっ!ここで終わっちゃうの?」と続きが読みたくて仕方のないところで表題作に。


『つらなるステラ』は、
アイドルグループを脱退して今は演技派俳優になった蒼馬(あおば)のところに現れたのは
解散かと噂されてマスコミに追われるメンバーの央司。

蒼馬の言葉通り、
きらきらひかるお星さまでいたかった央司と「俺のいちばんの星」だった央司のいる場所まで
登ってきたふたりのステラのお話は長編で読みたかったくらいのシチュでした。

巻末のBonus trackではそれぞれに忙しいふたりが35日ぶりにTV局で会うお話で、
ラ●゜ュタ?のところは思わず
笑ってしまいました^^
先生のあとがきも面白くて、
続くキャラクターラフも細かい設定にじっくり読みました。