違和感のオンパレード

一巻から無理やりな展開や登場人物の性格の問題など、
随所に違和感を感じていた作品ですが、

この巻の最後はその違和感を総まとめした感じで締めくくります。


ある少年が強引な展開で車に跳ねられそうになり、
一緒にいたわけでもない友人が助けに入り(ストーキング？)、

その友達が自分の為に殺されたのに心の中で「すまん」と言って終わり。

(いちいち生首を持ち歩いている頭のイカれた捜査官達がいきなり現れて不死身であるはずの亜人に無意味に発砲し、

何故か普通の人間である友人が間に飛び込んで無駄死にすると言う意味不明な展開です。

友人は銃弾より早く動けるのか、
捜査官が一般人が間に割り込んだのに引き金を引くほど鈍臭いのかと言う点も疑問が残ります。
)
その後、
その少年はタクシーに乗り込み、
友達の死など無かったかのような屈託の無い笑顔を見せます。


自分の事では友達に指摘されるまで泣いてる事にも気づかないような感傷的な人間が
友達の死に関しては他人事で涙も流さないし簡単に受け入れすぎです。


登場人物の心境が薄っぺら過ぎ、
というか薄情すぎですし、
行動や思考がおかしすぎて話に没頭できません。

他人が犠牲になって死ぬ事や傷付ける事に何も感じないサイコキラーのような登場人物ばかりです。


主人公やその家族や友人(?)を含めて登場人物の性格の歪みが目立つ作品で、

作者の価値観や性格に何か問題があるような気がしてなりません。


インパクトだけで見せたいシーンや話の展開を作っているせいで、

そこには人の心境や感情などが伴っておらず、
行動原理が完全に無視されている作品です。


ノリと雰囲気だけで流し読む人は読めるかも知れませんが、
人情など繊細な人の感情を考えながら読む人には向いていない作品です。