さくら荘の面倒な彼女とそれからの物語

空太が北海道への修学旅行でましろに告ってから本編終了までけっこう続いて書く事なんかまだあったかな？と思っていたのですが
やっぱり鴨志田先生は全ての登場人物に等しく愛情を注ぐ心優しい作家だな、
と思わざるを得ない一冊。
姫宮伊織と長谷栞奈の物語

まあ、
ありていに言ってしまえばシリーズがかなり終盤に入って登場した事で出番が少なかった一年生コンビのフォロー回なのですが
それでも姉の「はうはう」こと姫宮沙織の存在もあり、
また賑やかでありながら姉に対する強烈なコンプレックスを併せ持つキャラとして
描かれた伊織はまだ読者の印象に残ったかと。
問題は栞奈の方ですね。
登場したばかりの頃はストレス解消のノーパン設定なんかもあって
多少印象に残ったけど、
本編終了までに大した出番も与えて貰えず「なんかいつも不機嫌な娘っ子」という印象しか残らなかったのですが…
本作の280ページのうち180ページ近くを占めるのがこの栞奈をメインに据えた物語です

メインの中編は前後編構成で前編は北海道で空太がましろに告った修学旅行を別角度から眺める物語。
美咲にほとんど拉致同然に連れてこられた
一年生コンビが先輩二人の後を追うのが話の主軸。
そんな中で栞奈が空太に対し持っていた仄かな想いに気付き、
破れるまでが描かれます
そして後半は時間が流れて三年生になった伊織と栞奈自身の恋物語。
階段からの転落を防いでもらった事でピアニストの命である手を複雑骨折させてしまった
負い目を抱える栞奈と、
そんな彼女に三年間告白し続けた伊織の物語

まあ、
栞奈というキャラクターはどこからどう見てもラブコメのヒロインに不適格ですわな。
愛想も無ければ口も悪く、
しかもおっぱいは小さい
徹頭徹尾天の邪鬼で複雑な家庭環境もあって警戒心が異常に強い為に三年生になっても友達は空太の妹・優子だけという惨憺たる有様。
うん、
酷いなｗ

　だ　が　そ　れ　が　良　い　！　！

こういう不器用過ぎるぐらい不器用な女の子がいつしか芽生え始めていた「おっぱい星人」への自分の想いに気付き、
そしてそれを受け入れるまでを