臨床研修の早めの段階で読むべき

担当の患者さんのプレゼンテーションをするというのは全ての医師がくぐることである。

自分で分かっているつもりでも、
言葉にして伝えることは意外に難しい。

また、
分かったつもりになっているからこそ、
分からないことへの気づきが生まれない。

指導医にそこを突かれて返答に窮することも多いだろう。

この本に掲載されているプレゼンテーションを読み、
そして学ぶことで、
自分の「（すべて）分かったつもり」が「分かることと分からないこと」の濃淡がしっかりと付くようになると思われる。

研修医1年がこの本でポイントを掴んでプレゼンテーションをしたら、
指導医は感嘆だろうし議論も活発になるだろう。

研修医もさることながら、
この本も指導医が読むことで研修医にどう教えたらいいかが身についてくれる。

無知をなじるだけなら誰でもできるが、
議論を生産的な方向に活性化させるためには技術が必要である。

上手いプレゼンテーションができるようになることは、
臨床の知恵そのものが向上したことも意味する。

この本を読んだからと言ってすぐプレゼンテーションが上手くなると言う訳ではなく、
それこそ練習が必要である。

しかし、
そのための技術がこの本には詰まっている。

早めに学んでおきたいものである。