LP時代のあの感覚

全10曲で演奏時間は約37分。
DJCDと併せてもCD1枚に収まってしまう長さだけど、
これが実にいい。

聴き始めたらもうCDの停止ボタンが押せない。
もう1曲もう1曲と思っているうちに、
最後の曲になっている。

それぞれの曲の出来が素晴らしいのに加えて、
曲順・構成が本当によく練られているからだ。

全体を通して見れば一つのライヴのようだけど、
「ウラハラブ」を一区切りとする2部構成のようでもある。

期待を煽るインストからシングルA面級の曲が3曲続いた後に、
愛らしくも切ない「ウラハラブ」が流れ、

「ハッピークレセント」で再び最高潮に達したかと思えば、
じっくり聴かせる2曲でクールダウン。

「ダーリンベイビ」がアンコール曲にしか聞こえないのは、
このCDを聴いた者全てに共通する感覚だろう。

そして、
"終わって欲しくない。
でも終わりなんだな"という実感を与える役目を担うのが最後のインスト。

好きな曲だけを選んで聴くのもいいけど、
アルバム1枚聴くことの意味や喜びを思い出させてくれる。

限定盤に付いているDJCDと小冊子は、
遊び心の中に制作秘話をちりばめた解説と言ったところ。

『Birth』というアルバムをより一層楽しむなら、
手に入れておいて損は無いアイテムである。