『サクラノ詩』という変遷の記録書

この本は当初、
枕のブランドデビュー作として2004年春に発売される予定だった『サクラノ詩』という遷移の記録書、
あるいは美少女ゲームの一資料といった体裁をとっています。
ですから、
現在発売されている『サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う』は勿論、
開発途中であった通称『サクラノ詩 -The tear flows because of tenderness.-』、
『しゅぷれ〜むキャンディ 〜王道には王道たる理由があるんです!〜』の予約特典として収録された『サクラノ詩 第一章 〜春ノ雪〜』（通称：春ノ雪）の開発秘話や裏話を垣間見ることが出来ます。
ファンであれば必読でしょう。

また本書のあちこちで春ノ雪の話題が登場するせいか、
この冊子の付録として春ノ雪のCD－ROMがついており、
未プレイユーザーに配慮したものと思われます。

ビジュアルアーカイヴとしても申し分なく、
エンドロール背景の画像が小さいことを除けば、
籠目氏・狗神煌氏・基４氏の店舗特典描き下ろし絵や多種多様なラフ原画、
立ち絵、
各章ごとのイベントシーンの差分を見ることができます。
イラストに対してのライターコメントや説明文が申しわけ程度に載っていて、
それも見ていて楽しいです。

ページ後半には、
すかぢ氏＆浅生氏のシナリオライター対談やすかぢ＆サウンドクリエイター音楽座談もあり、
こちらはかなり読みごたえがあります。
それぞれの人柄（人格）が見えるかもしれません？また、
ヴォーカルCDの簡易的な楽譜も掲載されていて、
弾いてみろといわんばかりです。

欲を言えば、
作中の印象的なセリフを余白に配してくれたらもっと良かった気がします。
あと、
膨大な数に及ぶであろう参考文献も知りたかったかな。
サクラノ刻に関する情報もあまりないので、
「お楽しみに」といった感じでしょうか。