戦争に正義はないが、本作には小さな正義があった

主人公は「汝、
殺すなかれ」という信念を胸に純粋に宗教を愛している男。

だが、
真珠湾攻撃に触発されて軍隊に参加します。


前作「アポカリプト」では凄まじいグロ描写に加え、

ハラハラドキドキの鬼ごっこに体調が悪くなるほど面白かった。

それに比べ、
本作のグロ描写はソフトであるが、

十二分に観る人を「戦争に行きたくない」と思わせる説得力のある
戦闘描写になっている。


デズモンド・ドスが闘ったのは敵兵だけではなく
自分を排除しようとする軍隊そして、

家庭に不幸をもたらした父親でもありました。

その父親は第１次世界大戦の戦った兵士であり、
戦友を失い、

PTSDになってしまい家族も失うところでした。

一度は息子が戦争に行くことを反対していましたが、

ドスに押し通されてしまいます。

その後、
デズモンドがピンチになったが、

父の思いがけない言葉が救います。


その時の服装が左胸に略綬があり、
前の大戦の軍服を着用している。

彼にとって栄光のピークでもあり、
苦しみの始まりでもあった姿。

その時に93年公開の「セントオブウーマン」でアルパチーノ演じる
主人公が自殺しようとした時の姿を思い出した。

しかし、
本作では父親が自ら過去と向き合い乗り越える姿に見え感動した。


何千万人と多くの人が亡くなった戦争は勝者と敗者がいたが、

正義はない。
でもデスモンドという小さな正義があった。


おすすめです