幾重にも楽しめる作品です。

みちのくアタミ先生の初の人外ものということで雑誌掲載時から楽しみな作品でした。

吸血鬼という一見ファンタジーっぽくなりがちな題材だけれども、
時代も最初の3ページは
とても意味深な現代ですが、
物語は昭和43年から始まっているせいか、
内容はどっしりと
登場人物の感情や背景がきちんと描かれているので読み応えがあると思います。

そして、
和重の部屋が畳だったり、
トイレが和式だったり。

背景も高いビルはなくて背の低い街並みだったり。

昭和のノスタルジックな雰囲気も描かれていて、
色々と楽しめる内容です。


孤児院で育った昭彦は自身の不遇に疲れ、
生きることへの希望を失いかけていた時に
吸血鬼の和重に助けられます。

和重のことを少しずつ少しずつ知るにつれて、
ただの興味本位とは違う感情が出てきて、

それでも簡単に踏み込ませない和重に対して持ち前の人の好さ(すごく好感が持てます)で
向き合う昭彦。

心優しき昭彦に、
思わずがんばれーがんばれーって応援しちゃっていました^^

和重を吸血鬼という死ねずに愛する人たちを先に逝かせてしまう哀しい生き物に変えて
しまった張本人・将門と彼が「作った」という餌?の師夏(もろなつ)もまだまだ謎が多くて、

今後の展開はきっとドキドキハラハラなのでしょうが、
楽しみで仕方ありません。


エロはないですが、
みちのくアタミ先生の描く吸血鬼という男から放たれる色気は
2巻以降のお愉しみフラグだと思っています。

先生もあとがきで「メインはラブ」や「裸体と汁も早く描きたい」と記されているので
そちらも楽しみで仕方ありません^^