東宝作品ならでは、の良さが此処に在る。

今更多くを語る事なかれ、
ではありますがレビューさせていただきます。

この作品について語るならば、
限がない程ですが、
私にとって日本映画の中でも特に思い入れのある作品です。
「東宝作品ならではの戦争映画」。
それまでの東宝戦争映画の集大成でもある作品です。

「東宝作品ならでは」（＊１）と言う意味は、
登場人物の普段は皆、
明るいのです。
演出も過剰な演出をする事も無く、
いわゆる「お涙ちょうだい的なもの」もありません。
その明るさがあるため、
一旦悲劇が起きると過剰な演出がなくとも、
涙を誘うものなのです。
これが、
東宝作品の良い点なのです。
これは、
当時のプロデューサー「田中友幸 氏」の意向であり、
松林宗恵 監督が見事に、
その意を表現しました。
最後の主題歌が流れるシーンで、
父と兄弟を亡くした三姉妹の明るい表情が映し出させる所にも、
その意が表れています。
（＊１、
特撮についても重要な事である）
キャストについても、
名優中の名優、
「森繁久彌 氏」の味わい深い名演。
対照的な「財津一郎 氏」の存在感。
山本五十六役に適した「小林桂樹 氏」。
この作品でデビューを果たした「中井貴一 氏」。
その他にも、
数え挙げれば限がない程の名優陣が顔を揃えています。

「どろどろとした、
しつこさ、
のある戦争映画」よりも、
私としては、
この様な作品の方が好きです。

これまでに何度、
観た事か。
一年に一度は、
観ていると思います。

日本の戦争映画は、
悲劇的なものがほとんどですが、
この作品の様な何度観ても感動させられる作品は、
まれに見る存在だと思います。

私にとって、
一生心に残る作品になると思います。