価格との釣り合いが微妙

楽しみにページをめくりましたが，カタログ的な内容に終始した感が残ります。
しかし，そうであっても各エアーライフルに関しての掘り下げた記述は少なく，不完全燃焼です。
白眉は，タカノさんによるサイクロンのレポートで，これは国内モデルとは一部異なる点を差し引いても素晴らしい内容でした。
このような突っ込んだレポートが，他のエアーライフルについてもなされているのであれば，全体に深みが増し，カタログとしての役割を果たしたかも知れません。
それでも，タカノさんのレポートも，時間の関係でスコープのインプレッションは割愛されていて残念です。
そう考えると，なぜこの時期にこの本が出版されたのか疑問を感じます。
むしろ，十分な編集時間を確保して，猟期の終わる春以降の出版のほうが時宜を得ていたのではないでしょうか。
この時期に新しいエアーライフルの所持申請をしても，間に合うのは次の猟期です。
弾道ソフトウェアの紹介ページに至っては，原稿締め切りを言い訳に中途半端な記事に終わっています。
エアーライフルの弾道については，読者にとってとても興味深い部分です。
もっと掘り下げて欲しかったところです（タカノさんのレポートにはゼロイン距離の違いによる着弾点の相違が簡単ですが紹介されていましたが）。
ムックであれば，各ライフルの発射音などを収録してDVDで付けたら面白かったかもしれません。
これは，もちろん本当の音質を聴ける訳ではありませんが，各銃の比較には有用です。
日本では，発射音を聴き比べできる機会はまずありませんので，静音性等の比較は読者に歓迎されるのではないでしょうか。
カラフルで丁寧なレイアウトで見栄えはするけれど，あまり実の伴わない本という感想です。
最後に，国産エアーライフルであるシャープに関するコラムは興味深いものでした。