カバとのほのぼのとした友情に感動

この作品は大人の読者が読んでも十分に楽しい作品になっています。

と言って、
決して小さい子供にはわかりづらいと言うことではありません。


戦後まもなく、
動物園に満足な動物がいなかった頃、
一頭の「カバのデカ」と「カバヤ食品(今でも現存する立派な会社です。
知らない人のために念のため)」の一人の社員が、
会社の宣伝とカバを知らない全国の子供たちのために、
行脚するという内容が中心になった動物とのふれあい物語です。

特に「カバヤ」のお菓子などを食べて育った団塊の世代(私がそうです)には、
「そういえば、
こんなカバを見たことがあったな」と懐かしく思い出される人もいるのではないでしょうか。

年月が経ち、
大きくなりすぎたデカが飼育されている動物園で、
何十年も後に再会するシーンで、
デカもその人を覚えていた所は感動ものです。


決して完備された設備や環境の下で全国を行脚したわけではないのに、
お互いに深い信頼と固い友情が芽生えていることを知ると、
動物(人間同士でも同じでしょうが)との付き合いにもっとも必要なことはお互いを思いやる心であることを思い知らされます。

長く心に残る作品だと思います。