なんといってもタイトル曲が白眉

一聴目で耳を持っていかれる2曲目のアルバムタイトル曲「白虎野」。

ユニーク極まりない氏のボイスコラージュ・リフレインが曲をリードし、
軽快ながらも憂いの美に溢れている。

聴いていると脳内に懐かしいような気がする情景が浮かんでうるうるするが、
、
それは行ったことも見たこともない場所のようだ。


最終曲「パレード」も似たアイデアによる曲で耳を引くが、
こちらは達観したような感覚があり聴後感を現実よりに調整してくれる。

その他の曲はそこまでのインパクトはないものの、
どれも聞き込みがいがありそうな味が確かにある。


また、
アルバム全体的に歌詞が非常に印象的で、
特に「津波」「西へ」「高台」「捨てられた野」「海沿い」など、

どうしても3年余前のある出来事を想起してしまう言葉が沢山出てくるのだけれど、
予言とかなんとかとはまったく関係がないのだろう。

こういった過去のものでも未来のものでもない言葉を詩というのでしょう。


氏の歌詞はよく意味不明との評を耳にするけど、
音楽に乗ることでものすごく生きてくる類のものだと思う。

極私的な意見を言うと、
一青窈さんの詩の感覚と少しく似ていると思っているのだが。