とてもしっかりとした映画でした。安っぽいエロ期待で見ないほうがいいです。

気もない相手との結婚。
しかしそんな結婚でも、
夫にとっては理想的な家庭。

そしてはじまる苦しみ以外なにもない毎日のなかで、
夫の上司に恋をしてしまった園子は、
躊躇なく恋する男へ向かった。


ストーリーは自分に正直に生きようとする園子が、
特に葛藤もなく好き勝手にやっているというもの。

そしてどこまでいっても満たされることのない欲望の「深淵」を覗いてしまい、

それを知ったからにはなにもかも全てが空虚に映る人生を生きていく、
という流れ。


以下、
ネタバレ含みます。


特に盛り上がりもなく、
淡々と進む映画です。

それでも主演の村川絵梨が上手く、
ちょっとした仕草にさえ、
引き込まれます。


圧巻は、
生まれて初めて恋をした相手とのセックスのシーン。

至福から絶望への移り変わりが見事に伝わってきます。


恋する相手とのセックスはどれほどのものか？
生まれて初めて味わったに違いない幸福感に子宮を貫かれる園子の表情。

そして、
その直後、
どんなになっても満たされることのない欲深さに絶望する様子。

どこまでいっても癒やされない孤独感が、
ひしひしと伝わってきました。


彼女が嫌いでないひとは、
十分楽しめる映画だと思います。