前線の兵に、どのようにして物資を届けるか

　戦車を動かすには燃料や各油脂類にスペアパーツが必要ですし、
兵士には食糧に水、
弾薬などなどが必要になります。
そのような事は、
まあ何となくは分かるのですが、
では、
どのようにしてそれらの物資を届けるか、
あるいはそれらをどのように調達するのかについては、
なかなか見えてこない分野のものでもあります。

　それらの点について、
かなりこまかい点まで述べているのが本書です。
物資の集積に陸・海・空それぞれの輸送方法、
民間業務委託、
装備品の開発から保守点検などなどが紹介されており、
かなり読み応えがあります。

　惜しむらくは、
どの分野の兵員であれ切実な問題である「食う・寝る・出す」のうちの「出す」について、
あまり文章量が無い点です。
いや、
これはふざけて申し上げているのではなく、
食べたら出さなければならず、
また、
人員の士気の維持や衛生問題に直結するものでもありますので、
興味があるのです。
よって、
大量に兵員を動員できる米軍ではどのように処理しているのか、
読んでみたかったのですがね。

　それはともかくとしても、
あまり扱われない兵站の話はやはり新鮮味がありますね。
また、
各トピックの終わりにコラムが設けられていますが、
ここはコーヒーブレイクとして肩ひじ張らずに読むことが出来、
ここも面白いですね。