和葉の魅力に心を動かされる！コナン映画、新たな傑作の誕生。

「迷宮の十字路」以来の平次と和葉カップルがメインの作品という事で、
公開前から大きな話題となっていた本作。

興行収入６０億を超えた前回の２０周年記念作「純黒の悪夢」が一つの大きな壁になっていたと思いますが、
本作はそれを上回る凄まじい勢いで動員を伸ばし、
ついにシリーズ歴代最高興行収入記録を樹立。

そしてその内容も、
大変見応えのある素晴らしいものでした。


原作でも何度か登場していた高校生かるたチャンピオンの大岡紅葉が、
平次と和葉の関係を揺らがせる重要人物として、
ストーリー上非常に良い役割を担っていました。

「平次の婚約者だ」と堂々と宣言する紅葉の存在にやきもきする和葉。

皐月杯というかるたの全国大会に出場するはずだった友人がケガをし、
代わりに出場する事になった和葉に「もし皐月杯で私に勝ったら、
潔く身を引きましょう。
でも私が勝てば平次の事はあきらめて」と言われた和葉は、
紅葉に勝って優勝するために奮起します。

いつも元気で男勝りでも、
平次を一途に想い、
絶対に譲れない勝負のために必死に奮闘する和葉が本当に愛らしく、
非常に魅力的に描かれています。

本作はある意味和葉が主人公かもしれません。

コナンの推理とアクション、
平次の男気溢れるかっこよさとパワーに満ちた存在感もとても印象的ですが、
それ以上に和葉に目が離せませんでした。
この作品を観た人は、
和葉に心を動かされる事間違いないと思います。


冒頭のテレビ局爆破テロのシーンで、
一気に画面に吸い込まれます。

取り残されたコナン、
平次、
和葉が襲い来る炎と煙から必死に逃げ回り、
ビルから決死の大脱出する場面の緊迫感、
スピード感、
声優陣の迫真の演技に、
心からハラハラしてしまいました。

メインとなる殺人事件では、
いくつも張り巡らされた伏線を、
沢山の被疑者と疑惑で二転三転し、
視聴者を翻弄しながら回収していきます。

かるたの札に書かれた短歌の意味や裏話、
かるたの仕組みや歴史を紹介しながら、
それらをストーリーに絶妙に絡ませて、
事件解決の糸口にしていくという、
とても巧妙に練られたシナリオでした。

最初から最後までテンポが良く、
飽きさせる間がありません。