護憲派と中国の利害は一致している

一冊を通じて何よりも強く感じたのは、
タイトル通り「護憲派と中国の利害は一致している」。

そして、
一見無関係に思える歴史戦と尖閣を巡る防衛戦が、
本書の情報で一本の線でつながります。


中国は、
日本が動けない状態にあることを望んでおり、

護憲派も、
日本が9条によって縛られていることを望んでいます。


そして護憲派の多くは在日米軍基地に反対しており、
沖縄と本土の関係を「被害者と加害者」の
構図に置こうとしていますが、
まさに中国はここに付け入り、
米軍敵視・沖縄独立の世論を煽っています。

さらに、
中国が国連やアメリカで展開している「ジャパンディスカウント」工作も、

日本を悪魔化し、
日米同盟に亀裂を入れようとする意図が見え隠れしていることを指摘。

戦前日本は悪だった、
沖縄は被害者だという言論が、
以下に中国を利するものかが本書でわかります。


これらの、
護憲派や左派が見れば「陰謀論」のように見える政治工作を、

本書ではアメリカのシンクタンクのレポートによって明らかにしています。


そして、
尖閣を巡る日中間の紛争が起きれば、
日本は戦争の当事者になること、

尖閣対応に日本が本気にならなければ米軍は日本を助けないことを指摘し、

「尖閣はアメリカが守ってくれる！　万歳！」な世論に冷や水をぶっかけます。


戦争を避けたいなら、
9条を改正し、
中国をしっかり牽制せよ……。

そんなことはアメリカに言われずとも本来日本が能動的にやらなければならないことですが、

「まあ大丈夫だろう」と余裕たっぷりの態度を決め込んでいる世論を動かすためには
外圧も必要なのかもしれません。
憲法議論が高まっている今こそ知っておきたい情報だらけの一冊でした。