ふたりの主人公の間で

集南高校一年生 大高 美桜 同じクラスの滝 直くんは変わっています。
クラスメイトに話しかけられても気付かないし、
駅のホームで通過列車にひかれそうになってるし。
偶然居合わせて助けた美桜。
本気で怒る美桜に飛行機雲の定義。

滝くんに飛行機雲の写メをもらってメルアドも知った美桜。
浮かれたメールは自重しようと思った矢先に恥ずかしい内容を本人に誤送信。
でもそのおかげで期末赤点回避勉強会が実現。
成り行きで滝くんの自宅で勉強をすることになりドキドキ。
滝くんが自分の時間を使って教えてくれてるってだけで嬉しい。

帰りに駅まで送ってもらって扉が閉まる瞬間、
滝くんの差し出した手に呼ばれるように手を握って降りてしまった。

再び電車に乗った美桜に「今度から大高さんのこと誰かに言うとき彼女って紹介してもいいの？」このタイミングで閉扉。
走り出した電車の窓から身を乗り出して大声で「お願いします！」のダイナミック告白。
大笑いです。


この物語にはもうひとり主人公がいます。


大高さんとは小学生から一緒、
九年の知り合い。
共通点は数学赤点。
勉強は今ひとつだけどバスケ部のレギュラー、
女の子にも圧倒的人気がある丸井 侑輝くん。

大高さんは仲の良い女友達。
一緒に勉強会をしたり、
大高さんと滝の邪魔をする茜ちゃんにクギを刺さすくらい陰ながら応援もしていました。
なのに大高さんが滝のことで泣いてる。
隣で泣きじゃくる大高さんにモヤッと感じる。
芽生えた気持ちを冷やすように部活に入れ込む丸井くん。
ただの気の迷い？こんな気持ちではもう勉強会にも加われない。
今なら茜ちゃんの言ったこと、
気持ちが解る。

大高さんが滝を好きでいる以上邪魔するつもりも悲しませる気もない。
でも気づくと大高さんから目が離せない。
友達として大高さんから滝の悩みを聞いてあげる丸井くん。

オレはオレで頑張るだけ。
でもずっとイイヒトでいる気はないんだから。


主人公のライバル位置とするには勿体無い。
設定としても充分主役級クラスです。

とても頭が良くて優しい。
ちょっとぼーっとした天然系草食男子