金子 勝氏は、まず、フォイエル・バッハの疎外論を理解しないと。

　反政権ではある金子 勝氏が立命館大に呼ばれて、
参加と反緊縮の権威の松尾匡さんとパネル・ディスカッションを行った本。
惜しむらくは、
金子 勝氏が、
松尾匡さんの本を１冊でいいから好奇心を持って読んでから、
話して欲しかったという点。
金子 勝氏は、
松尾匡さんが拠って立っている（ヘーゲルの弟子の）フォイエル・バッハの疎外論を理解してないどころか、
単に地方で持論を披露するという姿勢なので、
話は噛み合ってません。


　金子 勝氏の「マイクロ・グリッド」「分散型システム」による経済再建には、
もちろん賛成です。
ただし、
金子 勝氏は、
なぜそれが良いのかの哲学を理解してないようです。
それらは、
住人が参加でき、
自分を反映でき、
本当の人生を生きられる（i.e.松尾匡さんの言う非疎外状態）だから良いのです。


　パネル・ディスカッション後も各人が文章を寄せているのですが、
金子 勝氏の好奇心不足/不勉強はそのままです。


　事前予習なく、
短い時間で、
異なるものの見方と話をすることの難しさが伝わってくる本でした。
これを企画した方々の意気込みは評価します。