アニメイトで特典付きで買いました。

ただ泣いた。

『ありがとな』のところでもう、
止まらなかった。


本当にこの作品を読んで良かった。


新シリーズが同日発売ということで、
この最終巻はどのような落としどころをつけてくるんだろうと、
悪い意味で高をくくっているところも正直ありました。

杞憂でした。
文句のない終わり方です。
5巻で終わりなのか、
とも思いましたが読み終えて、
最高の物語にしようとした結果が5巻なのだと納得できます。
あえて新シリーズ１巻を読まずにレビューを書かせて頂いているのですが、
それは、
この最終巻で、
一つの『物語』が終わったように感じたからです。
なんというか登場人物たちの想いが出切っているというか、
本心が見えたというか、
伝えきっているというか、
伝わりきっているというか。
そんなお話だったと思います。


個人的には終始1番泣けた巻なのですが、
いざ自分が物語を読んで、
あるいは見て泣くときを改めて考えてみると、
感情としては『悲しい』だと思うんです、
もちろん。
泣くポイントとしては、
何らか喪失。
嫌な言い方をすればご都合主義的な死、
とか。
でも今巻を読んで、
泣けたのは感情としては『優しい』？『穏やか』？『良かった』なんとも言い表しづらいですが他の作品とは全く別の感情です。
もちろんそれは最終巻に限らず作品全体に一貫していえることだと思います。
優しい優しい物語ですね。


きっとありのままに文が綴られているからなんだと思います。
普通の作品だったら、
もっとドラマチックに描かれています。
この作品は決して無理に涙を誘ったりしなかったと思います。


このシリーズ、
先の展開が読めなかった。
展開が読めなかったというのは間違いかもしれません。
「救われない」という終末はきまっていましたから。
物語の謎が読めなかった。
本当に巧みに構成されている作品です。