中小企業が「経営」を習得するまで

ごくざっと言えば老舗の中堅企業の若旦那が、
まず手探りで実家の家業をコンサルして経営を立て直し、
次いで他社もコンサルして立ち直りを助け、
みんなでいい商品を作れるようになって、
それを直営店でも売るので好循環ができてきた、
それはどうやって？という話ですが、
その苦労のいきさつを懇切に書いているので、
ブランドってなんだろう、
クリエイティブマネジメントってなんだろう、
デザインマネジメントってなんだろう、
と悩んでいる人には事例でピンと来やすく、
しかも経営のセオリーからも整理されて説明される、
なにせ著者はその経営当事者本人、
というちょっと類書がない本です。
よくある「それはあなただからできたんでしょ」という企業家本ではありません。
実家で人体実験してから他人の会社を助けるという意味でも、
一般のコンサルタントの本よりも本気度が違う。
そして高級消費財の開発の話もファッションのセンスや才能という説明に持っていくのは極力避け、
愚直な努力でまずできることの話から入るのもいい。
（そしてそういう会社には、
センスや才能がある人も協力しやすいので、
実際の事例としてはもちろん、
センスも才能も活かせるわけですが。
）