チェスターが最後に遺した悲しげな歌声

このアルバムは今までからすると意外な曲調ではありますが、
リンキン・パークの音楽をまた新たに広げたアルバムで、
何度か聴くと今までとは別物のリンキンではなくちゃんとリンキン・パークのアルバムとして違和感なく受け止められました。

しかし、
こんなことになってしまった今、
このアルバムはチェスターの苦悩と疲れとgoodbye感が全体を通して所々で感じられ、
予兆だったとも思えてきて本当に悲しくなってきます。


雑誌などを読むと、
このアルバムを作る為に久々にメンバーが集まった時、
チェスターが皆に元気？と訊ね、
自分は大丈夫じゃないんだと不調を告白したといいます。
苦しんでいたのですね…。

1番目の曲のタイトルはNOBODY CAN SAVE ME 、
HEAVYはチェスターの苦悩が表現されていてPVもとてもリアル。

ONE MORE LIGHTが書かれたのはクリスが亡くなる前 関係者が亡くなった時に書かれた曲らしいですが、
チェスターの親友クリスに捧げる曲にもなってしまいました。
そしてまさかチェスター自身までが…。
まるで天国に向かう音楽のようなイントロから始まり、
大切な仲間が亡くなってしまった悲しみと友への愛が歌われています。

ラストのSHARP EDGESでのチェスターの歌声が心に突き刺さります…。


チェスター、
あなたはいつから死にたいと考えていたのでしょうか？ もう誰も知ることはできません。
あなたはあなたが自ら死を選んでしまった為世界中でショックを受け悲しみにくれている人々のあまりの多さに 自分や自分達の音楽がどれほど愛されていたか気づき後悔の涙を流しながらどこかを彷徨っているかもしれませんね。
繊細な感性と心をタフにしなやかに守り抜く強さをあちらの世界で身に付けて、
沢山の人々を感動させる素晴らしいアーティストとしてまたこの世界に誕生されることを祈っています。


あなたの魂が込められた歌声は、
国境を越えて言語を越えて多くの人々に届き心を震わせました。

ご冥福をお祈りしています。
どうか安らかに。