親しい関係と冷静な批評と

間違いなく一流選手で、
今はスポーツ番組の制作に関わっている著者が、
実際に親しい9人のトップスケーター（村上、
織田、
鈴木、
無良、
羽生、
小塚、
浅田、
安藤、
高橋各選手）と今年対談を行い、
今年のプログラム、
スケートの技術、
私生活に至るまで、
楽しそうな会話が続いている。
会話は楽しそうだが、
ひとりひとりに"After talk"として著者が書いていることは、
トップスケーターであった自己の経験も踏まえて冷静な文章が多い。
バランスが良く、
スケートファンは必読でしょう。
1ページから16ページのカラーページには、
対談の様子に加えて、
著者と各選手が、
それぞれの演技のポーズを、
少し誇張も入れてやった写真があり、
実に楽しそう。
今まで全く知られてなかった情報も多く、
村上選手が大庭雅選手にループの飛び方を聞いて得た回答、
選手時代の中野選手と鈴木選手の関係（ライバル意識は長じてからは希薄）、
浅田選手のエキシビションの時の緊張などは興味深く読めた。
ソチ後のフィギュア人気の低下は予想されるところだが、
羽生選手が４回転をアクセルを含めて全部達成したり、
高橋選手が現役を続けたり（以上は対談から思いを膨らませることができる）すれば、
人気は男子フィギュアを中心にまだ続くかもしれない。