中身が空虚

東北を訪れなければ、
震災のことは語れないということでしたが、
表面的にしか見ていないような感じでした。
ずっと滞在せず、
さらっと被災地を見て回っただけなのではないでしょうか。
ですから、
仰っていることが、
抽象的で空虚な表現が目立ちます。
原発に対しては私も大反対の立場ですが、
この著者のように激しい口調で感情をむき出しにする表現では、
多くの人に共感を得てもらうことは難しいでしょう。
途中、
ルバングで30年弱戦後を生きた小野田さんのことに触れている箇所がありますが、
「その後、
彼が辿った人生には、
うなずけないことが多々あり」としてあるのは、
一体どこをとらえて言っておられるのでしょうか。
そう考えられることは自由ですが、
ひょっとしたら小野田さんについてろくに調べもせず、
新聞やテレビの報道からだけで推測(当時、
首相から慰労金をもらって、
それを靖国神社に奉納したことについて批判があったりしたことや、
日本をすぐに離れてブラジルに渡ったことなど)されているのではないでしょうか。
あと、
慌てて出版されたためか、
著者独特の表現かは分かりませんが、
誤字のような気がする箇所もありました。