数少ないもので豊かに暮らすとはこういうことかと思いました

雑誌に毎月連載されている小川さんの持ち物の紹介の記事が好きで、
その小川さんのライフスタイルの本が発売されると知って楽しみに待っていました。


最近流行りのミニマリスト寄りの宣伝文が帯には書かれていましたが、
本人にミニマリストの意識はないと思います。

きっと昔から、
「自分にとって大切なものは何か」ということを考え・判断してこられて、
無駄なものをなくしていった結果、
自然に現在の状態になられたんだろうなということが分かり、
流行っているから…というような無理やりさを感じずとても清々しかったです。


服はミナのものを定番にされている、
俵屋の布団やデスクを自宅用に購入して使用している、
など、
なかなか高価なものを愛用されています。

小川さんご自身は作家のお仕事をされていて、
ご主人との二人暮しということで、
きっと普通の方より収入も使えるお金も多いのだろうなぁ、
とは思います。

ですがそれが決して嫌味ではなく、
無駄なものにお金をかけず、
自分にとって大切なものに思い切ってお金をかけることの豊かさを感じさせられました。

また「流行っているから手に入れたい」という姿勢ではなく、
自分に一番しっくりくるものを長い時間がかかっても探し、
見つかったときはたとえ高価でも思い切って手に入れる。

そうすると、
数は少なくても豊かな気持ちで毎日を過ごせるのだという良い具体例を見せてもらえたと思います。

そして本当に気に入ったものを手に入れることで、
余計なものは買わなくなり、
大切なものにお金をかけることができる。

余計なものがないから、
数少ない良いものがより引き立つ。

こうあれたらいいな…という理想の形だと思います。


またこの本は、
使っているものの紹介だけではなく、
旅先のモンゴルや毎年ロングステイするというベルリンで感じたことや、
これからの自分についてなど、
「ライフスタイル本」と呼ぶに相応しい、
様々な側面に触れられた本で、
私にとってはとてもバランスが良かったです。

写真もふんだんに入っていて、
それがまたとてもセンスが良い写真なので、
ヒマな時には本をパラパラめくって写真だけを見て楽しんでいます。