巻数を重ねるにつれて

１巻から読んでいます。
阿部夫妻の、
ふつうのひとたちの毎日のおべんとう、

そのおべんとうというくらしの営みを、
捉え続けていきたいという思いは
変わりません。


ただ、
やはり本になって知られるようになったため、
やむをえないとは思いつつ、

ほんとうに毎日のつくり続けられるおべんとうよりも、
すこしずつ取材がハレの日
をつくることになり、
ハレの日のおべんとう、
こぎれいだけど特別なおべんとう、
が
増えてきたようにも思います。


あと、
出版社が帯につけた「愛ってこういうことだったんだ」というキャッチコピーは
いただけません。
こういうことを表立って撮らない、
書かないことが、
愛情のある
豊かなおべんとうの時間を描き出す阿部夫妻の真骨頂です。
その姿勢で評価
されてきたシリーズでしょう。
出版社（あるいは担当編集者）、
きびしいようですが
本書の真価をそこなう軽薄な演出です。