金継ぎの入門書

金継ぎという日本古来の技法に新鮮な驚きを感じます。


世の中には物が溢れかえっています。
安物を買って壊れたら修理などせずにさっさと捨てて、
新品に買い換えるのが普通になってしまっています。
新品が優れていて古いものは劣るものという発想がいつの間にか蔓延しているように思います。


かけがえのない時を共に過ごす道具に思いを込めて、
気に入ったものをいつまでも使い続ける知恵が金継ぎなのだと気付かされます。
壊れた事を隠すのではなく、
むしろ味わいとして楽しむ逆転の発想が本当に素晴らしい。


この本では、
金継ぎ作家をはじめ、
金継ぎに魅せられた人達、
作品がたくさん紹介されています。
彼らのものを愛おしむ気持ちが溢れたコメントも紹介されており、
消費社会に流されない考え方がしっかりと息づいていることを嬉しく思いました。

本の中では幾つかの作品が写真で紹介されています。
カメラワークはなかなかしっかりしており、
作品の魅力を的確に伝えてくれています。

金継ぎの方法も図解付きで説明されています。


あとは実践あるのみと言ったところです。