現地の人々に入り込んだ取材

八ッ場ダムという巨大公共事業の問題点を、
現地での取材に基づき徹底的にあぶり出し、
網羅している。
著者が現地の人々に中に入り込んで、
現地の人々と同じ視線で問題点をあぶり出している点が好感が持てる。

また、
「おわりに」の現地の女性が放ったという「あの人たちは・・・」との言葉の下りは、
市民運動の難しさを実感させるもので、
興味深い。
この一節に、
八ッ場ダムにまつわる問題点が端的に表現されている。
文章がやや冗長な嫌いはあるが、
八ッ場ダムの運動に関わる人々の必読書であろう。