“読みごこち”も良い、愛すべき一冊

昔のクウネル（ちなみに2010年11月号）で、

「岡尾美代子さんちょっとぜいたく。
ほおずりして選ぶ、
毎日のカシミア」
という、
記憶に残る記事がありました。


カシミヤを日常使いする（ユニクロとか以外で）というのは、

ここ数年でずいぶんポピュラーになりましたが、
当時はそのはしりで、

なかなかの衝撃を受けたものです。


特に、
岡尾さんのお手入れの仕方「基本はなるべく洗わず陰干し、

どうしても洗う必要があるときは洗濯機の手洗いモード（！）」という
のが目からウロコな感じでした。
（大胆で）。

コートやストール、
タンクトップにタイツまで、
紹介されている
カシミヤアイテムも素敵なものばかりで、
今でも時々読み返します。


なので、
この本を書店で見つけたときは、
かなり嬉しかった！
（雑誌の記事とほとんど中身がかぶってないのも◎）

カシミヤ以外にもリネン、
コットン、
シルクと、
天然素材について
語られていますが、
やはり岡尾さんはカシミヤ（と、
リネンかな）に
ひときわ特別な思いがあるご様子。


写真がとっても可愛く（P40〜41のタオルを並べた“カーペット”や、

P101のカシミヤニット＆カシミヤスウェット＋ネイビーのコンバース
ハイカットのスタイリング…素敵すぎます）岡尾ワールドを堪能できました。


肩の力の抜けた文章も読んでいてほっとします。
小難しさゼロで、

おちゃめで。


ただ、
ブランド・エピソードについては、
もう少しつっこんで、

ディープな話を知りたかったなあ、
という印象です。

トゥジューの生地作りの話（縦糸と横糸の色を変えて、
ヴィンテージ感を
出すエピソード）や、
ジョンストンズの「アザミ起毛機」の話なんかは
すごく面白かったのですが、
他のブランドに関しては、
比較的さらっと
書かれているように思いました。

かなり好きな本ですが、
そこだけがちょっと残念だったので、
☆４つで。