作者はただものではない。

はっきり言って育児漫画の傑作です。
私はこの３年間にふたり産み、
いろんな育児や出産めぐる本や漫画を読み漁りました。
しかしまあ、
ここまで女の人が出産前後に感じていることを、
的確に浮き彫りにしてみせた作品を他に知りません。


どうして夫婦の子供なのに、
女性だけが母親と、
いう名の下にひとくくりにされ、
人間扱いされなくなるのか。


電車のベビーカー問題、
仕事続けるか問題、
子連れ批判のほとんどが母親が標的。
性欲や子育て以外の楽しみへのニーズはないもの扱い。
出産まで、
名前も顔もあってまったく違う人生を生きてきた人たちが、
急に母親枠にはめられる、
あの違和感。


これらの「あれ？なにかヘン」という感覚を、
作者はえぐり出し、
白日の下にさらけだし、
並々ならぬ鋭い観察眼により、
分析および問題提起します。


三部作を読みましたが、
この作者は、
ただものではないという感じ。
読んだ前と後で、
読み手の人生の何かを変えることのできる書き手です。