万人のための障害年金の本と言うと、少し大げさかな、でもいい本です。

障害年金の解説書はともすれば、
法令や通達を整理し、
言い換えたものという無味乾燥なものになりがちである。
それを読むのは、
仕事上専門的に勉強しなくてはいけないと思う職務に携わっている人くらいである。

しかし　この本は　『受給の可能性のある人への道案内』というとおり、
読者を一般の人々と想定している。

そのためか、
内容はわかりやすく、
平易な語り口で抵抗なく読んでいける。


【読むように語り、
語るように書く】というのが、
良い語り方、
良い書き方であると
どこかで聞いた記憶があるが、
本書はまさにそのような書き方である。

第1部、
第2部は　全くの素人でも分かるように丁寧に説明されている。

第5部の事例は　著者のこれまでの経験をベースに障害年金にかかわった人たちとの臨場感のあるリアルなストーリーが紹介されている。

この箇所は障害年金の知識の多寡にかかわらず参考になると思われる。


ただ　用語集を最初の方においてあるが、
本文中にこれらの語句が出てくる箇所で「注●●」と付記して、
用語集は注番号を付して巻末においた方が参照しやすいのではないだろうか。

それはともかく、
本書は障害年金に少しでも関心を持つ人なら読んで損はしないといえる。