「本当に大切なことは静かに語られる」

ネットで検索すれば簡単に求めるものの情報を手に入れることのできる
このスピード情報化社会のなかで
「そんなに簡単に入手できる答えのなかに本当に求めるものがあるのか」と
私たちの胸に深く、
大きく、
あたたかく問いを投げかけてくれる本である。

平易な言葉で日常のエピソードも交えながら話し言葉でつづられているため
読みやすい。

そうありながら一方で、
電車に乗っていても歩いていても
「さっきのあの内容は現代でいうと、
こういうことではないのだろうか」
「今の自分の生活で、
先ほどの言葉はこのように生かせるかもしれない」
などと　生活のうえで迷ったとき、
つまづいたとき
何度もそこに戻って考えさせられる、

まさに『生き方の知恵』のつまった一冊といえるだろう。

禅の名僧たちの生きていた時代は過去である、

しかし本当に大切なことは今生きているものを呼び覚ましてくれる。

歴史はけっして過去のものではないことを教えてくれる。

体で感じ、
なにかそれを生きてみたくなるような本である。