今でこそ批判的な文脈の中で考察する価値がある。

日本の長期不況や韓国の金融危機は、
その特有な発展形態に原因があるとする考えが今では主流になってきたようだ。

かつては賛美と高い評価を受け、

自由主義の世銀をして「奇跡」として言わしめ、

他国に対する制度移入も本気で考えられた、
開発主義国家。

そのテーマに沿って、
いろいろな論者がいろいろな角度から議論を展開している。

特に、
生みの親であるJohnsonの回顧録が面白かった。

ただ、
編集本という性格のため、
どうしても論者によって議論の質にばらつきがあるのも気になった。

やはりBruce Cumingsの章は蛇足だろう。

ともかく、
経済発展に関心がある政治学研究者は、
一度は読むべき。