ナンシー・アレン賛江

むかしテレビで部分的に見たときの印象が退屈だったので最近まで全編見たことがなかったのだが、
　DVD版ビスタ・サイズで見るとこれがなかなか面白い、

それに主演二人がB級なので勘違いしていたが、
意外に資金が贅沢に投入された大作感のあるアクションSFなのだった、

CG以前のアイデア勝負のチープな画像処理系特撮も現在見れば逆にとても新鮮だし、
　アメリカ軍全面協力の艦船等での実写はとても見ごたえがある、

B級SFらしいタイプ・スリップ・ドラマと４０年の時間差によるカルチャー・ギャップ・コメディが絶妙にまぶされた脚本も良い出来だと思うし、
　軍人・軍隊を主人公にしながらも、
さりげなく反戦意思が語られている上手さも感じる、

撮影もこれが８０年代映画らしい質感の映像が続く楽しさがあり、
　できれば野口英世１枚くらいでDVDも発売して欲しいものだが、


８０年代らしい間延びしたシーンがたくさんあるのも作品の味わいになっていると思う、

たくさん刈り込んで９０分位にテンポアップさせてサスペンスを盛り上げたバージョンがあってもいいような気もする、


それにしてもナンシー・アレンという女優はラッキーだったと思う、

キャリー、
殺しのドレス、
ミッドナイト・クロス、
本作、
そしてロボコップとすべてB級ながら映画史に残り続ける作品で印象的な役を演じ、
　多くの女優たちが努力に努力しても獲得できなかった役を連続させたのだから、
これこそ映画俳優としての役者冥利に尽きると言うものだろうと思う、
　脱ぎっぷりの潔さが道を開いたことになる。