持続可能な世界は本当に可能か？

　世界で急拡大する人口は、
食糧問題、
エネルギー問題、
水の問題と多くの問題を発生させていることは広く知られていることですが、
これに対する対応方法が、
楽観論に立つか、
悲観論に立つかによって大きく違ってきます。

　従来は、
悲観論的観点にたった見方によるアプローチが多く、
如何にエネルギーや食糧・水を使わないようにするか、
といった手法に偏りがちでしたが、
本書では、
人口と同じようにテクノロジーも指数関数的に増加しており、
現在では考えられないようなテクノロジーによって「潤沢な世界」が生み出されると言っています。


　たとえば、
水問題にしても、
現在使用される70%の水は再利用されていませんが、
現在のテクノロジーが進めば、
このうちの95％は再利用が可能であり、
水不足を回避することができる事例が紹介されていたりしています。


　確かに、
ある観点で見ればテクノロジーの進化によって、
あるエリアの課題は解決しそうですが、
すでに壊されたものについては、
やっぱり修復できないことを考えると、
原子力発電に代表されるように、
テクノロジーに頼りすぎるとある時点で、
取り返しのつかないものに手を出してしまう懸念が残ります。

どちらにしろ、
人類のモラルが問われていることは間違いないと本書を読んでさらに強く思いました。